ガンタンク(GUNTANK)は、アニメ『機動戦士ガンダム』など、「ガンダムシリーズ」のうち宇宙世紀を世界観とする作品に登場する架空の兵器。地球連邦軍の長距離支援用モビルスーツで、V作戦により開発されたガンダム・ガンキャノンと同じRXシリーズの一つ(型式番号:RX-75)。
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なお「砲戦車」(英訳はGunTank)という用語は本項とは無関係である。しかし、この兵器の在り方としては関係がある。
一年戦争開戦前、地球連邦軍はジオン公国軍のモビルスーツ (MS) 開発計画を察知して対MS戦闘車両として完成したRTX-44を、更にMSとして全面的にリファインした。RX計画の下、タキム社、サムソニシム社等が参画し、急遽ロールアウトに漕ぎ着けた地球連邦軍初のMSがガンタンクである。この開発にはジオン公国から亡命したMS技術者も関わったといわれる。
複雑な二足歩行システムの完成を待たずに開発されたため下半身が装軌式で、戦車に人間の上半身を乗せたような格好が特徴である。最高時速は70kmと、通常のMSと比較しては決して速いものではなかったが、重力下でトラブルを抱えることが多かった二足歩行に対し安定性が良く信頼性も高いという一面を持ち、実戦でもホワイトベースと共に地球をほぼ1周した事からあらゆる地形に問題なく適用したものと考えられる。スラスターと姿勢制御バーニアを用いることで宇宙空間でも一応運用可能である。また大気圏内の地上での運用の際に、ホワイトベースへの帰還のために、本体底部に大気圏内飛行用のバーニアが存在し(ガンダムFACT FILEより)、このためホワイトベースを着陸させずに帰還できることが大きな特長である。しかしキャタピラを含む下半身はAMBACとしては機能せず、地上とは逆に単なるデッドウェイトにしかならなかったため運動性は極端に悪かった。そのため、宇宙戦においてガンタンクと遭遇したジオン兵は度肝を抜かれ、「タンク(戦車)モドキ」「MSの出来そこない」と呼称された。
この機体の最も特徴的な武装が両肩に装備された120mm低反動キャノン砲である。射程距離は260kmにもおよび、装薬によって実体弾(装弾数16発)を射出するこの方式は、信頼性が高く特に地上戦において非常に有効であった。無論、実際にその射程での射撃を完遂するには観測施設などとの連携は必要不可欠で、ミノフスキー粒子の元での実行はかなりの困難なものなのだが。両腕部には射程距離20km、装弾数120発の40mm4連装ボップミサイルランチャーを装備し、給弾システムも腕部に内装されている。そのためマニピュレーターを持たず、肘関節の可動範囲も制限を受けていた。また、各種ミサイルランチャーを搭載する予定であったが、こちらは計画のみで終わっている。
ガンタンクは、これらの武装を生かして遠距離からの支援攻撃に用いられる。そのため、MSというより移動砲台として運用されることが多い。キャタピラ部に支障を来した場合には上半身を強制排除し、それ自体は据付式の砲台として用い、腹部のコア・ファイターを有効に機能させる、という運用法も見られた。また近接戦闘に対応する武装を持たないため、機体のすぐ近くに敵が侵入するともろい一面もある。何よりも上半身が回転しない(胴体内にはコア・ブロックがある)為、キャノン砲を横方面に射角を変えて撃つ為にはキャタピラを動かすことで機体自体の向きを変えないといけない、という戦車としては致命的な欠点があり、形式としては自走砲に近い。また頭部コクピットは透明キャノピーにより視界が広いものの防御力が低く、また緊急脱出装置も無いためパイロットの生残性に問題があった。
開発当初、4機(8機という説もある)が試作されたが、サイド7でのテスト中にジオン公国軍の強襲を受けてうち3機が破壊され、残った3号機はホワイトベースで運用された。当初はパイロット(腹部)とガンナー(頭部)の2名を要する複座式で、メインパイロットはリュウ・ホセイとハヤト・コバヤシが勤めていたが、後に単座式(頭部のみ)に改修され、ハヤトが搭乗している。8機説の場合コア・ファイター搭載型4機(1?4号機)がサイド7に送られ、コア・ファイター非搭載型が地球に残され第08MS小隊に登場するコジマ大隊にて運用されたと思われる。
テレビアニメ版『機動戦士ガンダム』の後半において、この一見戦車にも見える機体であるが宇宙空間にも出撃し、ア・バオア・クーにおける最終決戦まで戦い抜いている。しかし、さすがに無理があるためか、アニメ映画版『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇』では、ハヤトの乗る機体はガンタンクからガンキャノン(C-109号機)に切り替えられている。Gファイターと同じく映画版に際しての変更点の一つである。
オデッサ作戦直前の時期にはしばしば修理に難儀し、母艦ホワイトベースにある工作技術、工作設備の限界から、修理後間もなくシャフトが折れるなどの苦労があった。
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではアニメ版とは異なるデザインのガンタンクが登場する(頭部がジムの頭部に似ている)。MSではなくあくまで主力戦車であり(その為コアブロックシステムも無し)、かなり以前から配備されていたという設定になっている。しかし、宇宙空間での運用も(限定的な状況であれば)可能なのはTVシリーズと同様である。正確な運用開始時期は明らかではないが、宇宙世紀0068年のジオン・ダイクン死亡直後のデモに対する鎮圧任務に出動していた。この時、まだシャア・アズナブルの名を名乗る前の少年キャスバルが紆余曲折の末乗り込み、初めてのMS戦を経験している。またジオンでのザクIの前身であるモビルワーカーのテストにおいて、仮想敵機としてガンタンクのコピー機を使用しており、頭部などに違いが見られる。ホワイトベースのお荷物扱いの本機も、数々の修羅場を潜り抜けたスレッガー・ロウの操縦では100%の実力を発揮し、テキサスコロニーではザクII一個中隊を短時間で撃破、退ける活躍を見せている。操縦士とガンナーとの、キャノン砲・バルカン砲の役割分担が中盤から後半にかけて変わっている様子があるが、どのような経緯があったかは不明。 テキサスコロニーで登場したキャノン砲のかわりにクレーン、バルカン砲のかわりに作業アームをつけたMS回収用の作業用ガンタンクが登場した。非武装と思われる。
設定の変遷
1979〜80年代初頭発行の書籍(講談社ポケット百科シリーズ『ロボット大全集[1]機動戦士ガンダム』1981、ケイブンシャ『機動戦士ガンダム大百科』1981等)では、タキム式核融合炉でエネルギーを発生、85,000軸馬力を生み出し、ガンダム、ガンキャノンより出力は大きいとされていた。また1981年発行の「ガンダムセンチュリー」では全く異なり、原子炉とガスタービンエンジンのハイブリッド(出力8,000馬力と、はるかに小さい)だが、コアファイターが使用できるように改装されてからも機関の熱核融合炉への変更は無かったとされている。もっともこれでは、ガスタービンエンジンが使えない空気の無い宇宙で戦っていたという矛盾が発生してしまう。
なお、ガンタンクの主砲はTV放映当時からMSVでの解説に至るまで、120mmキャノン砲と、ザクマシンガンと同じ口径で見た目に比べ不自然に小さい数字となっているが、「ガンダムセンチュリー」では280mm砲、ボップミサイルランチャーも180mmロケット弾というデータになっている。
コア・ブロックなどを省略して量産を容易にした機体。主砲の給弾方法が試作機と大きく異なる(射撃体勢に入ると、第二次世界大戦時のオープントップ型自走砲のように、砲弾が露天積載状態となる)。コア・ブロック・システムを廃止したことにより、パイロットの生存率や戦闘データの回収率は低下したものの、上半身の回転が可能となっている。地上部隊を中心に支援用MSとして配備された。
「量産型」という名称ではあるが、型式番号は試作機を示すRXナンバーのままであり番号も75のままであることから、暫定的な量産であった事がうかがえる。
劇中での活躍
第10話『震える山(前編)』において、ジオン軍の秘密工場のある岩山に対し、ガンタンク本来の運用方法といえる間接支援砲撃を行っていた(何故か劇中の台詞では「艦砲射撃」と言っている)が、ノリス・パッカード駆るグフカスタムによって全機撃破されている。
また、オープニング映像の中に作業用に改造された機体が砂に埋まった陸戦型ガンダムを救助しようとしているカットが存在する。
一年戦争終結後、MSとしては評価の低かったガンタンクを純粋な装甲戦闘車両として評価した連邦陸軍が、局地防衛用戦闘車両として再設計した機体。61式戦車の後継機としても期待されていたといわれる。少数量産された。
MSとしての機能を全て削ぎ落とし、戦闘車両としての機能のみを優先して開発されている。乗員として操縦者と砲手の2名を必要とする。武装面では主砲に低反動砲や滑腔砲ではなくライフル砲を採用しているのが特徴であるが、これはRX-75の主砲よりも強力であるとされる。
劇中での活躍
『機動戦士Ζガンダム』のジャブロー降下作戦時にも、他のMSV登場機体に混じって登場している。
曽野由大の漫画『機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊』では、従来の設定とは異なり一年戦争中にも実戦投入されており、V作戦評価試験部隊「スレイプニール」に配備され、北米を中心に高い戦果を挙げている。